5月10日、日本酒を楽しむイベント「第弐回 京都日本酒ドロップキック」が京都市内で開催された。当日はあいにくの雨だったが、12軒の参加店舗内は、参加証明となる赤いTシャツ姿の参加者で溢れかえった。
このイベントは、日本酒に情熱を持つ飲食店と蔵元がタッグを組み、より多くの人に美味しい日本酒を飲んでもらおうというもの。主催した「KYOTO NIHONSHU DROPKICK実行委員会」の代表を務める、おかげや本舗代表取締役・高田佳和氏は「日本酒を楽しむ人の裾野をもっと広げたいと思い、昨年このイベントを立ち上げました」と語る。
しかし、立ち上げはそう簡単ではなかったようだ。「排他的な京都ですから、新しいことをすると抵抗感が大きい。周りからは失敗するって言われていました」と第1回を行った昨年を振り返る。ところが実際は、同氏に賛同し参加した11店舗はイベントTシャツを着た客で埋まった。周辺の店舗も同じTシャツを着た参加者が多く入店し、イベント終了後は同氏の元に「次はいつあるのか」、「うちも参加したいが」という問い合わせが何件も来るほどだったという。「波及効果があってこそイベント。自分たちだけで完結してしまっては意味がない」と語る同氏。
今年は震災の影響もあり開催が危ぶまれたが、高田氏は、「出来ることは小さいが少しでもお役に立てればと、Tシャツの売り上げの一部を寄付することを決め士気を高めた」という。
イベント参加希望者は、チケット代わりとなるTシャツを1000円で購入。今年はTシャツの売り上げ1000円のうち、500円が東日本大震災の復興支援義援金とされた。当日はそのTシャツを着て各店舗で500円支払うと、お酒1杯と突き出し1品が提供される。その他のお酒や料理は店舗ごとのメニューで追加できる。
関西で日本酒のイベントといえば、2008年に日本酒を愛する大阪の飲食店店主3人から始まった「日本酒卍固め」が4年目を迎え定着しつつある。イベント内容は、10月1日を「日本酒の日」とし、大阪市内の参加店舗を回る形式だ。年々参加者も参加店舗も増え、日本酒復活に大きな力となっている。そんな大阪の動きに刺激を受けたという高田氏。「京都には伏見という酒所もある。次回以降は参加店舗を増やす方針で、将来的には祇園や先斗町、各地区を巻き込んで、京都を代表するイベントに育てていきたい」と今後の展開を語る。
今年も大阪では10月1日に「日本酒卍固め 日本酒ゴーアラウンド」が開催される予定だ。同氏はその時期に合わせて京都でもイベントを計画中とのこと。日本有数の酒所灘を有する神戸でも、という噂も耳にする。大阪、京都、ひいては関西全体での日本酒人気復活が、全国へと波及する日も遠くないかもしれない。
【主催 KYOTO NIHONSHU DROPKICK 実行委員会】
参加店舗×参加蔵元
SOU(宗) × 吉村秀雄商店
楽酒菜 まゆめ × 旭日酒造
KEN蔵 × 招徳酒造
魚の匠 あさきぬ × 久保本家酒造
旬 炭火焼 んまい × 斎藤酒造
加夢居 × 福井弥平商店
燻製とビール和知 × 畑酒造・中澤酒造
魚とお酒 ごとし × 山根酒造
場馳走いなせや × 増田徳兵衛商店
魚戸いなせや × 北川本家
京酒場 薄伽梵 × 御祖酒造
ともんち × 冨田酒造
投稿5月10日、大阪の日本酒熱に刺激され、京都で開催された日本酒イベント「京都日本酒ドロップキック」に1500人が参加!は関西エリアの飲食店・レストラン“トレンド”を毎日配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム 関西」の最初に登場しました。